長谷川畳店の畳
当店は三種類の畳床を取り扱っております。
『やわらか畳』 発泡入り
畳床に6mm厚のスポンジ生地を使用している為、クッション性があり、柔らかく、膝や腰に優しい。
一般的な畳 発泡入り
一般的な畳。
オール木質繊維
茶の間、居間向き。
長谷川畳店オリジナル『やわらか畳』
天然素材の畳だから、直接肌が当たる赤ちゃんの肘や肌を優しく守ります。
畳の効能
畳ができるまでには、多くの人の手と時間が必要です。完風下での植え付けから、いぐさの香りが清々しい畳になるまで、生産者を始めそれに携わる人々の、根気よく丹念な作業が続きます。
八月苗床から健苗だけを1株1株ていねいに株分けをする。
農家で1枚1枚の畳表が織機で織り上げられる。
畳の選別
中国産のい草
国産い草の選別作業
い草(畳表)の選別は、当店の代表で畳職人の長谷川静夫が行います。
安価な中国産のい草は一見、国産畳表と変わらないように見えますが、品質及び耐久性に大きな差があります。収穫時期が早めでい草が充実する前の若い時期に刈り取るため、表皮が薄く背丈も不ぞろいで発育途中であると言えます。また、高温乾燥により、い草の繊維質を傷め国産品にくらべ、耐久性が劣りますが、大量に調達することが可能であり、コストパフォーマンスに優れています。
長谷川畳店工場奥には大量の材料を保管している為、どのような依頼にも対応致します。
畳の歴史
日本特有の畳文化
現代の日本では『畳』はどのように使われているでしょうか。
主に家の中の和室や、公民館など公共施設、旅館、道場などで目にする機会があると思います。畳の部屋は床やフローリングの部屋より、落ち着く事はありませんか?
畳に使われている材料は『い草』。昔から日本のどこにでもある素朴な素材で、湿地や浅い水中に生えている植物です。茎の部分から刈取り、中はスポンジ状に小さな隙間がたくさんある為、水分が抜けるとふわふわした感触を味わうことができます。
そのおかげで畳のある部屋は、夏は涼しく冬暖かく、また梅雨の時期にはい草が水分を吸収し快適なことから日本の風土に馴染んできた素材と言えます。
畳は床に比べて表面も柔らかい為足腰にやさしく、快適に感じるのはこのような特徴があるからではないでしょうか。
畳の歴史
古くから伝わる伝統的な日本の文化は中国大陸より伝わってきたものが多い中、『畳』は日本より生まれはぐくまれた『敷物』文化でもあります。
畳の歴史は古く、最初の文献に『畳』という文字が表れたのは、奈良時代の『古事記』。始めは植物で編んだゴザのような敷物で、莚(むしろ)・茣蓙(ござ)・菰(こも)などの総称でもありました。使用しないときは畳んで部屋の隅に置いたことから、畳は『たたむ』ことを意味し、折り返して重ねる意味でもあり、たためるもの、重ねられるものから敷物のすべてを意味したものでもあります。
現在の畳の使いかたに近づいたのは平安時代に入ってからになります。畳の厚さが加わることで部屋の中で必要な所に置かれ、その上に家の主人やお客様が座る、などに使われていきます。
室町時代には書院造の登場により部屋全体に畳を敷く様式があらわれますが、主に身分の高い人の家だけで使われます。この時期茶堂の拡大に伴い、正座と共に普及していきました。
江戸時代に入ると庶民の家でも畳が敷きつめられるようになり、畳そのものが重要な建築物の要素として見なされるようになります。それでも農村部に普及したのは遅く、畳文化が広がったのは明治時代になってからです。
戦後の畳の衰退
洋式文化と共に、畳文化が衰退したと考えられていましたが、大きな要因のひとつに戦後の『畳』という文化が一部メディアからの批判による衰退があります。
戦後、幾度かメディアによる『畳』への悪評が報じられました。「一畳にばい菌十五万」など、人々を不安を煽るような風潮が幾度か起こります。
日本建築から洋風建築への時代の変化に相乗し、畳よりコストの低い床へ移行するなど、畳文化は年々衰退していきます。
現代の畳文化
現代住宅において、『畳』はくつろげる空間として見直されてきました。
畳には断熱性能や遮音性能があり、素足で歩いてもかたいようでやわらかく歩きやすい、日本の風土に最も適した床材という性質があります。畳に触れることにより、体が自然にリラックス出来ると感じるからではないでしょうか。
最近では、新素材として畳を生活に取り入れたりなど挑戦する畳業界、ヘリ無畳やカラー畳の出現により別な形で『畳』が進化していく中、私たち畳職人も、日本独自の畳文化を守りながら『畳』を一枚一枚丹精込めて作り続けていきます。